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脳脊髄液減少症

脳脊髄液減少症(のうせきずいえきげんしょうしょう、英: cerebrospinal fluid hypovolemia)とは、脳脊髄液が脳脊髄液腔から漏出することで減少し、頭痛やめまい、耳鳴り、倦怠などの症状を呈する疾患である。

脳脊髄液減少症は、低髄液圧症候群と類似した病態であるものの、脳脊髄液減少症の場合、多くの症例で髄液圧は正常範囲内にあり、その原因は、髄液圧の低下すなわち髄液の漏出にある。医学界の常識では長らく 『髄液はめったに漏れない』 とされており、したがって、脳脊髄液減少症はほとんど病気として認められていなかった。

しかし、2000年に当時、平塚共済病院脳神経外科部長であった篠永正道が 『髄液が漏れている患者が言われてきたよりも非常に多い』 ことを発見。篠永は2002年に学会で発表するも、医学界ではほとんど注目されなかった。そこで篠永らは独自に研究会を立ち上げ、治療や研究を進めることになった。

やがて、むち打ちなどでも髄液が漏出することがあると主張されるようになり、2004年末には患者やその支援者らが保険適用(ブラッドパッチ療法)を訴える約10万人の署名を厚労省に提出したり、その後も都道府県議会が意見書を次々と採択するようになった。しかし、厚労省サイドは依然として静観を続けた。

ところが、2005年春に、交通事故で脳脊髄液減少症を発症したとされる患者と、『むち打ち症なのに、髄液漏れを主張するのは不当だ』 とする損害保険会社、共済との間で全国的に訴訟が展開されるようになり、さらに、2006年にかけて脳脊髄液減少症を事故の後遺障害として認める司法判断が報道されると、関連学会の関心が一気に高まった(もちろん、『むち打ち症』 の患者のすべてが脳脊髄液減少症であるわけではない)。

そして、2006年11月、日本脳神経外科学会学術委員会委員長の嘉山孝正(山形大学医学部長)が記者会見を行い脳脊髄液減少症に対する 『科学的な』 診断、治療のガイドラインを作成する方針を明らかにした。これに呼応するかたちで厚労省も嘉山を主任研究者とする研究に対して2007年度以降の厚生労働科学研究費補助金の交付を決定。研究は3年計画で初年度は2,500万円の予算を認めた。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

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