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CRPS/RSD

複合性局所疼痛症候群
(Complex Regional Pain Syndrome, Chronic Regional Pain Syndrome:CRPS)

複合性局所疼痛症候群とは、外傷などによる組織損傷後に、その原因事象の程度とは不釣り合いに強くかつ長期に渡って持続し、原因事象と直接因果関係のない浮腫・皮膚血流変化や発汗異常を伴う慢性疼痛症候群であり、時に重度の運動障害をきたす疾患。

従来、四肢の外傷後、その部位や程度とは一致しない激しい慢性の疼痛を生じ、浮腫や血管運動異常など交感神経症状を伴うものを反射性交感神経性ジストロフィー(Reflex Sympathetic Dystrophy:RSD)と呼び、外傷が神経損傷に及ぶ場合をカウザルギー(Causalgia)と呼んでいました。1994年の世界疼痛学会では両者を統合して、複合性局所疼痛症候群(Complex Regional Pain Syndrome, Chronic Regional Pain Syndrome:CRPS)とし、RSDをtypeⅠ、カウザルギーをtypeⅡとしました。

 

【複合性局所疼痛症候群(CRPS)の診断基準】

次の1、2、3、を満たすこと。

1、障害の程度とは一致しないような痛み、異疼痛(allodynia)、痛覚過敏
2、痛みのある部分にある時点で浮腫、皮膚血流の変化、汗腺刺激性の活動を示す状態が発生する
こと
3、痛みと機能不全の程度を説明するような他の状態がないこと

上記の痛みに関係した神経の障害がない場合はtypeⅠ(RSD)、ある場合はtypeⅡ(Causalgia)と分類されます。

 

【CRPSの病期分類】

患部の症状 Ⅰ期 急性期:0-3ヵ月 Ⅱ期 亜急性期:3-6ヵ月 Ⅲ期 慢性期
疼痛 激しい疼痛 根強く持続する疼痛 疼痛軽減(重症例は持続
皮膚・皮下組織 発赤、熱感(または冷感)、浮腫、発汗過多 チアノーゼ、冷感、硬性浮腫、発汗過多で後に乾燥 蒼白、冷感、委縮、乾燥

機能

関節運動制限 関節拘縮 手指使用不可
骨X線像 正常~斑点状脱灰 斑点状脱灰 びまん性骨委縮

血流・Doppler

血流上昇、皮膚血管運動反応正常 血流低下、皮膚血管運動反応亢進 血流低下

 

 

【治療法】

CRPSという病態は、その発生機序が十分に解明されておらず、症状や病態の違いも症例により大きく異なり複数の複雑な病態が絡み合った症候群であることを意味しています。したがって、有効な治療法も症例により異なっており、今まで報告されてきた治療法が、どのようなCRPSを対象にされたものであるかを理解することが重要となります。

・薬物療法

薬剤は一般に、次のような痛みの特徴に従って処方されます。
・持続痛 ・睡眠障害をもたらす疼痛 ・炎症性疼痛あるいは最近生じた組織損傷による痛み
・自発性発作痛(発作性のしびれ感と電撃痛) ・交感神経依存性疼痛(SMP) ・筋痙攣

 

・交感神経ブロック

上肢の痛み・・・星状神経節ブロック

下肢の痛み・・・腰部交感神経ブロック

 

・交感神経切除術

交感神経ブロック後に痛みが有意に減少した場合は、交感神経依存性疼痛(SMP)だと言われている。もし痛みが有意に減少しない場合は、交感神経非依存性疼痛(SIP)であると言われています。交感神経切除術は交感神経依存性疼痛(SMP)の場合に有効とされています。

 

・硬膜外ブロック

硬膜外ブロックは交感神経系への選択性が低く、そのため、診断や予後の推測を目的とする場合、有用ではないとされています。硬膜外カテーテルを用いた局所麻酔薬の注入は下肢に一時的な筋力低下をもたらす場合があ り、歩行に危険が生じるため注意が必要です。

 

・理学療法

理学療法には様々な方法があり、超音波水治療法、その他の温熱療法、マッサージなどは重度の筋痙攣を軽減する事があります。運動療法、低周波治療器などの経皮的電気刺激も有効です。いずれも患部の状態により過度になりすぎないよう注意が必要です。また最近では交感神経節へのレーザー照射など、非侵襲的に交感神経をブロックする方法も注目されています。

 

・脊髄刺激

難治性の慢性疼痛が生じた場合に有効な疼痛管理法に脊髄刺激(SCS)があります。脊髄刺激では脊髄(脊柱)におけるある種の神経線維を刺激するために弱い電気インパルスを用いり、この刺激が脳へ伝わる痛みの伝達を遮断すると考えられています。

 

上記は一般的な治療法ですが、受傷の状況や患部の状態により治療法は変わってきます。小野整骨院では各種の理学療法機器や手技療法により、痛みを和らげ運動機能を回復させるよう治療を行っています。

 

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