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示談の進め方

示談とは、当事者間で裁判によらずに解決することをいいます。示談は、民事上の 『和解』 という契約ですから、成立すれば 『示談書』 の作成が必要となります。つまり示談書は、互いに当該事故について債権債務(貸し借り)の関係は発生しないことを確認する旨の文書です。一方的な事故の場合は 『免責証書』 と名前を変えますがこれも示談書と同じ内容です。

交通事故の賠償問題は、ほとんどが当事者間の話し合いによる示談で解決されています。示談が成立は調停と同じ効力を発するため、示談当時に予想できなかった不測の損害(例えば後遺症や再手術)が発生していたと裁判所が認定した場合など、特別の事情がない限りあとで勝手に変更・取消しすることはできません。したがって慎重に示談するよう、注意する必要があります。

具体的には、入院中、あるいは通院している途中、自動車事故でいえば修理が完了したが事故の影響で走行状態が良くないといった場合は示談をしない方が良いでしょう。必ず治療が終了した後、修理が完全に行われた後、というように損害額が確定した後に示談をするようにしましょう。

 

1、自分の請求内容が正当であることを裏づける証拠として、具体的な資料(交通事故証明書、診断書、領収証等)をそろえておきます。

2、心がまえとしては、感情的にならず、あせらず慎重にすすめます。示談書に署名・捺印する場合は、十分検討し、条件を納得してからにします。

3、示談はあらかじめ専門家(弁護士など)の話を聞き、納得できる最低限の条件を決めておいて交渉すると早く示談ができるようです。

4、示談がまとまったら、示談書を作成します。

 

【示談書について】

示談書の形式は自由ですが、既製の書式を利用することもできます(損害保険会社にも備え付けてあります)。しかし、次の事項は必ず記載しないと、あとで問題となることがあります。

・ 当事者名
・ 事故発生日時・場所
・ 加害車両の登録番号
・ 事故の状況
・ 示談内容・支払方法
・ 作成年月日
・ 署名・捺印

 

【示談内容を確実に履行させるためには】

示談した内容を確実に実行させるために、また万一に備えるためには、次のような措置が有効です。

1、違約条項を入れる
(約束を守らなかったら、日割計算で加算金をとる)、(分割払いを怠ったら、残金は一時払いにする)などの違約条項を示談書の中に入れておきます。

2、連帯保証人をつけさせる
相手の近親者や知人など、資金力のある人を連帯保証人につけさせ、確実に損害賠償金を受け取れるようにします。

3、裁判をしなくても、強制執行が出来るようにしておく
これには次の方法があります。

・即決和解
当事者間での話し合いがまとまった段階で、相手方の住所を管轄する簡易裁判所に和解を申し立て、和解調書を作ってもらいます。和解調書は、裁判の確定判決と同じ効力があり(上訴できません)、相手が履行しなければ、いつでも強制執行ができます。手続きも簡単なうえ、費用もたいへん安く済むので(賠償金額にかかわらず一律2000円の収入印紙と、切手代、代書料等)、便利な方法です。

・公正証書
示談がまとまったら、当事者双方で公証人役場に行き、公正証書を作ってもらいます。その中に〈債務不履行の場合は、すぐ強制執行を受けても異議はない〉という執行認諾条項を入れておきます。これによって裁判をしなくても強制執行ができます。

 

【示談がなかなかできない場合は】

示談交渉に応じなかったり、納得できる条件が出ないなど、示談交渉が進まないときは、専門家(弁護士など)に相談してみるほか、次のような方法が考えられます。

1、内容証明郵便で催促する

内容証明郵便は、手紙の内容を郵便局長が証明する形式のものです。この郵便で、(○○の損害を賠償せよ)という催促を配達証明にして出すので、相手との示談を進めるためには有効です。また、相手が応じず、あとで争いになったときなど相手の不誠意を証明する証拠にもなり、時効の中断事由になります。

2、仮処分を申請する
被害者が毎月の生活費や治療費に困る場合などは、裁判所にいわゆる仮払を求める仮処分を申請することができます。審議が非常に早く始められ、裁判所が申請を認めれば、決定(支払い命令)が出されます。
決定が出ると、つづいて強制執行を行うことができ、動産を差し押さえれば1週間ほどで競売・現金化できるので、申請から大体10日ぐらいでお金を入手できます。しかし、決定が出ると、ほとんどの場合、加害者があきらめて、支払いに応じてきます。

 

【注意点】

1、
示談書には、『今後、この件については一切請求しない』 という意味の条項を書くのが一般的です。したがって損害の見通しも十分に立たないうちに示談すると、後から請求できなくなって困る事があります。
2、
後遺障害についての心配がある場合は、後日のために 『もし今後本件による後遺障害が生じたときは改めて協議する』 という条項を示談書の中に入れておきます。しかし、この条項がなくても、後遺障害については、後から賠償請求できることを認めている判例もあります。
 

 

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